奄美大島の祭りと年中行事|シマの祈りと祝い
豊年祭、八月踊り、アラセツ、浜下れ、種下ろし。奄美大島の5市町村と周辺離島をたどり、各シマに残る祭りと年中行事を紹介します。

文化
2026年8月18日
奄美エクスペリエンス編集部
約18分
自然 | 2026.08.08 | 奄美エクスペリエンス編集部 | 3分
奄美大島の祭りを知ろうとして、イベントカレンダーを開くだけでは見えてこないものがあります。
島には、花火が上がり、多くの人が集まる大きな祭りがあります。
その一方で、旧暦の日を待って、小さな集落で行われる豊年祭があります。
家の軒先にススキを挿す日。
海へ下りる日。
山仕事を休む日。
先祖を迎える日。
新しい米を供える日。
集落の家々を踊って巡る夜。
奄美では、こうした小さな行事も「シマ」の一年をつくってきました。
この記事では、奄美エクスペリエンスが主に扱う奄美大島の5市町村――奄美市、龍郷町、大和村、宇検村、瀬戸内町――に加え、瀬戸内町に属する加計呂麻島・請島・与路島を対象に、公開資料で確認できる祭りと年中行事を紹介します。
鹿児島県教育委員会が実施した祭り・行事の実地調査と、各自治体が現在公開している資料を照合しています。
ただし、家庭内で行われる祭祀、非公開の行事、現在休止している行事など、Web上の公的資料だけでは把握できないものもあります。
この記事は「公開情報で確認できる奄美大島の祭事総覧」としてお読みください。
日付の見方|旧暦と新暦をセットで読む
奄美の伝統行事には、現在一般的に使われている新暦ではなく、旧暦や干支を基準に日を決めるものが多くあります。
たとえば、
旧暦3月3日。
旧暦8月15日。
旧暦8月で最初の丙の日。
その7日後の壬の日。
といった決め方です。
そのため本記事では、伝統上の基準となる旧暦と、旅行者が時期をイメージしやすい新暦の目安をセットで記載します。
たとえば、
旧暦3月3日→ 新暦では例年4月頃
旧暦7月13〜15日→ 新暦では例年8〜9月頃
旧暦8月15日→ 新暦では例年9〜10月頃
というように読みます。
ただし、旧暦と新暦の対応日は毎年変わります。
さらに現在では、平日の開催が難しいため、伝統上の日付に近い土曜日や日曜日へ実開催日を移す集落もあります。大和村も十五夜豊年祭やクガツクンチについて、旧暦の祭日を基準としながら直近の日曜日に開催する場合があると説明しています。
したがって、
旧暦=行事本来の基準日
新暦の目安=旅行時期を考えるための目安
実開催日=その年に自治体・集落が決定する日
と分けて考えるのが基本です。
奄美の行事を知るもう一つの鍵「シマ」
奄美では、集落を「シマ」と呼びます。
同じ奄美大島でも、隣り合うシマで踊る唄が違う。
豊年祭の日が違う。
同じ八月踊りでも手振りや節回しが違う。
一方のシマでは残っている行事が、別のシマではすでに途絶えている。
奄美の祭りは、島全体で一つの型を共有しているのではありません。
シマごとの違いを含んだまま、受け継がれてきた文化です。
新暦1月|新しい一年を迎える行事
年の初めには、新暦を基準に行われる正月行事と、旧暦を基準にする行事が重なります。
新暦1月1日には正月祝い。
新暦1月2日にはセックノヨエとフナヨエ。
新暦1月7日にはナンカンセックなどが伝えられています。
大和村では、舟祝いで船を酒と塩で清め、一年の航海安全と豊漁を祈ります。農業に携わる人が形だけ畑や山で仕事を始める「農耕始め」も伝えられています。
一方、
旧暦1月16日新暦では例年2〜3月頃
には、山の神祭りがあります。
山の神が下りる日として山仕事を休み、山へ入らない日とされてきました。
旧暦3月3日|新暦では例年4月頃|サンガツセック・浜下り
旧暦3月3日は、サンガツセック、サンガツサンチなどと呼ばれます。
新暦では、年によっておおむね3月下旬から4月頃にあたります。
海辺へ下り、磯遊びをし、よもぎ餅などを食べる習俗が伝えられてきました。
大和村では、かつて学校や仕事を午前中で終え、家族や仲間で浜へ出るほど身近な行事だったと紹介されています。
宇検村でも、芦検・平田・屋鈍などで浜下りが伝統行事として記録されています。
旧暦4月の申の日|新暦では例年5〜6月頃|ハマオレ・ムシアソビ
奄美市笠利地区の「浜下れ」は、旧暦4月初めの申の日を基準とする伝統行事です。
新暦では例年5月から6月頃にあたります。
田畑の害虫を集め、川や海へ送り、豊作を願う行事とされています。
かつては浜辺で飲食したり、舟こぎなどを行った地域もありました。
現在も奄美市は笠利地区の集落行事として浜下れを紹介しています。
旧暦5月5日|新暦では例年6〜7月頃|ゴガツセック
旧暦5月5日は、ゴガツセック、ゴガツゴンチなどと呼ばれる端午の節句です。
新暦では例年6月から7月頃にあたります。
大和村では、魔除けのため菖蒲やよもぎを軒先に吊るし、アクマキを食べる習俗が紹介されています。
2026年の大和村公式カレンダーでは、旧暦5月5日は新暦6月19日にあたります。
旧暦6月|新暦では例年7〜8月頃|六月燈
笠利地区では、旧暦6月に氏神を祀る六月燈が行われます。
新暦では例年7月から8月頃です。
集落の人々が神社を清掃し、のぼりや提灯を立て、家運隆盛や豊年を祈ります。
集落によっては舞台芸能や八月踊りなどが催されます。
旧暦7月7日|新暦では例年8〜9月頃|七夕
奄美の七夕は、盆と深く結びついています。
旧暦7月7日は、新暦では例年8月から9月頃。
2026年は、新暦8月19日が旧暦7月7日にあたります。大和村の公式カレンダーでもこの対応が確認できます。
大和村では、高い七夕竹を立てる理由について、盆に帰ってくる祖先が迷わないようにする目印だという伝承が紹介されています。
旧暦7月13〜15日|新暦では例年8〜9月頃|旧盆
奄美では、盆を旧暦で行う地域が多くあります。
旧暦7月13日から15日は、新暦では例年8月から9月頃です。
2026年の場合、
旧暦7月13日=新暦8月25日旧暦7月14日=新暦8月26日旧暦7月15日=新暦8月27日
にあたります。
大和村では、
13日に祖先を迎え、
14日に供え物をし、
15日に祖先を墓へ送り、
15日の夜 にはアシナレとして青年たちが八月踊りをする習俗が紹介されています。
旧暦8月|新暦では例年9〜10月頃|祭事が集中する季節
奄美の年中行事を知るうえで、とりわけ重要なのが旧暦8月です。
新暦では例年9月から10月頃にあたります。
この時期には、
アラセツ
シバサシ
ドゥンガ
十五夜
豊年祭
八月踊り
などが各地で行われます。
ここで注意したいのは、アラセツ・シバサシ・ドゥンガは干支で日を決めるため、旧暦8月15日の十五夜と常に一定の順番で並ぶわけではないことです。
旧暦8月という一つの月の中に、複数の基準で決まる祭日が重なっていると考えると分かりやすくなります。
旧暦8月最初の丙の日|新暦では例年9〜10月頃|アラセツ
アラセツは、旧暦8月に入って最初に来る丙の日を祭日とします。
新暦では例年9月から10月頃です。
新米でつくるミキやカシキを供え、火の神や先祖を祀り、豊年を祝います。
笠利地区では、か つて集落の一軒一軒を八月踊りで夜通し巡っていました。
現在は場所や班をまとめながら、多くの集落で受け継がれています。
龍郷町秋名・幾里のアラセツでは、明け方のショチョガマと夕方の平瀬マンカイが行われます。
2026年の秋名アラセツは新暦9月19日に行われます。これは龍郷町が公式に発表している開催日です。
アラセツから7日目の壬の日|新暦では例年9〜10月頃|シバサシ
シバサシは、アラセツから7日 目にあたる壬の日を基準とします。
新暦では例年9月から10月頃です。
家の軒先や屋敷の四隅などにススキを挿し、災いを防ぐ意味を持つ行事として伝えられています。
大和村では、墓へシーバの葉を挿して拝む風習や、八月踊りをしながら集落を巡る習俗も紹介されています。
宇検村では、生勝や阿室などにシバサシの記録があります。
シバサシ後の最初の甲子の日|新暦では例年9〜10月頃|ドゥンガ
ドゥンガは、シバサシの後に来る最初の甲子の日を基準とします。
新暦の日付は毎年大きく変わります。
アラセツ、シバサシ、ドゥンガを合わせて「ミハチガツ(三八月)」と呼ぶ地域があります。龍郷町秋名・幾里でも、この3つの祭日体系が紹介されています。
大和村では、地面を耕したり遠出したりすることを避ける日として伝えられてきた地域もあります。
旧暦8月15日|新暦では例年9〜10月頃|十五夜と豊年祭
旧暦8月15日は、奄美各地で豊年祭が行われてきた重要な日です。
新暦では例年9月から10月頃。
2026年は、旧暦8月15日が新暦9月25日にあたります。
相撲。
八月踊り。
綱引き。
余興。
敬老会。
内容はシマによって違います。
現在では旧暦当日が平日になる場合、集落運営の都合から近い週末へ開催日を移す例もあります。
大和村では、津名久・大和浜・大棚・大金久・戸円・志戸勘・今里の7集落が旧暦8月15日を祭日の基準とする十五夜豊年祭の地域として紹介されています。
旧暦9月9日|新暦では例年10〜11月頃|クガツクンチ
旧暦9月9日は、クガツクンチと呼ばれます。
新暦では例年10月から11月頃です。
2026年は、旧暦9月9日が新暦10月19日にあたります。
大和村では、国直・湯湾釜・思勝・名音の4集落が旧暦9月9日を豊年祭の祭日としています。
現在は直近の日曜日へ開催日を寄せる場合があります。
同じ旧暦9月9日には、願いを解き、新しい一年の無病息災を祈るガンノーシ・ガンタテも伝えられています。
加計呂麻島の諸鈍では、大屯神社で諸鈍シバヤが奉納される祭日でもあります。
旧暦10月16日|新暦では例年11〜12月頃|ムチモレ
旧暦10月16日は、新暦では例年11月から12月頃にあたります。
大和村湯湾釜では、ムチモレ踊りが伝えられています。
顔を布などで隠した青年たちが家々を巡り、庭先で踊り、防火や無病息災を祈る行事として紹介されています。
宇検村芦検にも「ムチムレ」と呼ばれる集落行事があります。
秋|新暦では主に9〜11月頃|種下ろし・カネサル
種下ろしは、豊作へ感謝し、次の年の豊年を願う行事です。
笠利では「カネサル」とも呼ばれます。
現在の開催日は集落によって異なりますが、秋に行われる例が多くあります。
集落の家々などを巡って八月踊りを行い、「ハナ」と呼ばれる寄付や差し入れが伝統文化の継 承や集落運営にも使われています。
奄美市|名瀬・住用・笠利に残る祭りと行事
奄美市には、名瀬、住用、笠利というそれぞれ異なる地域文化があります。
市の年中行事資料には、
新暦正月の行事
旧暦1月16日の山神祭り
旧暦3月3日のサンガツセック
旧暦4月の浜下れ
旧暦7月の七夕と盆
旧暦8月のアラセツ・シバサシ・ドゥンガ
旧暦8月15日の十五夜
旧暦9月9日の行事
種下ろし
などが整理されています。
県教育委員会の調査では、さらに次のような集落行事が記録されています。
名瀬・おがみ山周辺|山の神祭り
住用町・市|ハマオレ
住用町・見里|豊年祭
住用町・西仲間|十五夜豊年祭
住用町・川内|豊年祭
住用町・山 間|豊年祭
名瀬・小湊|十五夜綱かつぎ
名瀬・小湊|庚申祭り
名瀬・西仲勝|十五夜祭
名瀬・西田|九月九日祭
笠利町・節田|節田マンカイ
笠利町・用|シュンカネクワ
笠利町・宇宿|稲すり踊 り
笠利地区|招魂祭・奉納相撲
笠利地区各集落|ミハチガツ・シバサシ・タネオロシ・ハマオレ
小規模行事については現在の実施状況が変化している可能性があるため、訪問を目的とする場合は事前確認が必要です。
龍郷町|秋名アラセツとシマごとの豊年祭
龍郷町を代表する祭事のひとつが秋名・幾里のアラセツです。
旧暦では8月最初の丙の日。
新暦では例年9〜10月頃。
2026年は9月19日です。
明け方のショチョガマと夕方の平瀬マンカイからなり、国の重要無形民俗文化財に指定されています。
県の調査では龍郷町で、
アラセツ
シバサシ
ドゥンガ
豊年祭
種下ろし
今井権現祭
浜下れ
三月三日
五月五日
七夕
旧盆
ナリムチ
などが確認されています。
豊年祭はシマによって日程や内容が異なり、相撲や八月踊り、敬老会などが組み合わされる例があります。
大和村|11のシマに残る濃密な年中行事
大和村では、現在も自治体公式サイトで一年を通じ た伝統行事が非常に詳しく紹介されています。
新暦1月1日|正月祝い
新暦1月2日|セックノヨエ・フナヨエ
新暦1月7日|ナンカンセック
旧暦1月16日・新暦では例年2〜3月頃|山の神祭り
旧暦3月3日・新暦では例年4月頃|サンガツセック
旧暦5月5日・新暦では例年6〜7月頃|ゴガツセック
旧暦7月7日・新暦では例年8〜9月頃|七夕
旧暦7月13〜15日・新暦では例年8〜9月頃|旧盆
旧暦8月最初の丙・新暦では例年9〜10月頃|アラセツ
アラセツとシバサシの間の土曜日|思勝のキトバレ踊り
アラセツから7日目の壬|シバサシ
旧暦8月15日・新暦では例年9〜10月頃|十五夜豊年祭
シバサシ後の甲子|ドゥンガ
旧暦9月9日・新暦では例年10〜11月頃|クガツクンチ
旧暦9月9日|ガンノーシ・ガンタテ
旧暦10月16日・新暦では例年11〜12月頃|湯湾釜のムチモレ踊り
大和村11集落のうち、旧暦8月15日を祭日の基準とする十五夜豊年祭は、
津名久
大和浜
大棚
大金久
戸円
志戸勘
今里
の7集落。
旧暦9月9日のクガツクンチを基準とするのは、
国直
湯湾釜
思勝
名音
の4集落です。
つまり、同じ村の中でも祭日の基準そのものが異なります。
宇検村|14集落それぞれの豊年祭
宇検村には、
宇検
久志
生勝
芦検
田検
湯湾
石良
須古
部連
名柄
佐念
平田
阿室
屋鈍
の14集落があります。
豊年祭は現在、新暦8〜9月頃の土日を中心に行われる例が多く、伝統的な旧暦の祭日から現代の生活に合わせて日程が変化してきた地域です。
2026年には、屋鈍集落の豊年祭が新暦8月8日に予定されていましたが、台風13号の接近を理由に中止されています。自然条件によって実開催が変更・中止になる例としても注意が必要です。
宇検村にはさらに、
生勝|シバサシ
阿室|シバサシ
芦検|浜下り
平田|浜下り
屋鈍|浜下り
田検|つなかがりゃー
芦検|ムチムレ
芦検|稲すり踊り
など、集落ごとの行事があります。
瀬戸内町|奄美大島南部と加計呂麻・請島・与路島
瀬戸内町は奄美大島南部だけでなく、加計呂麻島、請島、与路島を含みます。
集落ごとに豊年祭の開催状況が大きく異なります。
瀬戸内町が公表した令和7年度の豊年祭資料では、たとえば、
古仁屋|11月9日
網野子|10月5日
阿木名|10月4日
蘇刈|10月12日
嘉鉄|10月4日
清水|10月5日
油井|10月6日
篠川|9月28日
諸鈍|10月5日
伊子茂|9月21日
瀬武|9月20日
西阿室|9月14日
請阿室|9月28日
池地|9月14日
与路|9月28日
など、集落ごとに異なる新暦の日程が設定されていました。
これは旧暦の祭日を基礎にしながらも、現在の集落運営に合わせて実開催日が調整されていることをよく示しています。
なお、この一覧は令和7年度の公表例です。
「なし」と記載された地区も、そのシマに文化や行事が存在しないという意味ではなく、その年度に豊年祭の開催予定がなかったことを意味します。
瀬戸内町に残る特徴的な集落芸能
瀬戸内町には、豊年祭とは別にシマ固有の芸能があります。
清水|厳島神社のティーヤ・ヒヨヒヨ
諸鈍|諸鈍シバヤ
西阿室|テンテン踊り
芝|バッケバッケ
芝|相撲甚句
網野子|アンドンデー
網野子|むんじゅる
蘇刈|棒踊り
油井|油井の豊年踊り
諸鈍シバヤは、旧暦9月9日、新暦では例年10〜11月頃に大屯神社へ奉納される芸能です。
油井の豊年踊りでは、稲刈り、稲摺り、米つきなど、稲作の営みを身体表現で演じる演目が伝えられています。
同じ「豊年」という言葉を使う行事でも、シマによって内容は大きく異なります。
現代の大きな祭り|新暦で日程が決まるイベント
ここまで紹介した旧暦を基準とする伝統行事とは別に、現在の奄美大島には新暦で日程を決める大規模な祭りがあります。
これらは旅行者も比較的参加・見学しやすい祭りです。
奄美まつり|奄美市
旧暦基準ではなく新暦開催。
2026年は7月30日から8月2日まで開催され、舟こぎ競争、八月踊り、パレードなどが行われます。
あやまる祭り|奄美市笠利
旧暦基準ではなく新暦開催。
2026年は8月9日。
三太郎まつり|奄美市住用
旧暦基準ではなく新暦開催。
2026年は10月下旬の開催予定として奄美市から案内されています。
龍郷ふるさと祭|龍郷町
旧暦基準ではなく新暦開催。
2026年は7月19日に開催され、舟こぎ競争、芸能大会、八月踊り、花火が行われました。
ひらとみ祭り|大和村
旧暦基準ではなく新暦開催。
2026年は8月29日に舟こぎ大会、8月30日にステージと花火が予定されています。
やけうちどんと祭り|宇検村
旧暦基準ではなく新暦開催。
開催日は年度ごとに決まります。
直近の公式掲載では、第47回が2025年11月2日に開催され、島唄や地域芸能、花火などが行われました。次回の日程は宇検村の最新発表を確認する必要があります。
瀬戸内町みなと祭り|瀬戸内町
旧暦基準ではなく新暦開催。
2026年は8月15・16日に開催され、相撲、市中パレード、島唄、舟こぎ、八月踊り、花火などが組まれています。
笠利地区招魂祭・奉納相撲
現在は新暦で実施日が発表されます。
2026年は招魂祭相撲大会が10月11日、招魂祭式典が10月16日に予定されています。
日本復帰記念の日のつどい
旧暦とは関係なく、新暦12月25日。
奄美群島が日本へ復帰した1953年12月25日にちなみ、毎年この日を基準に記念行事が行われます。
2026年も12月25日に奄美市で予定されています。
祭りを見に行く前に知っておきたいこと
奄美の祭りには、大きく分 けて二つの性格があります。
ひとつは、市町村などが主催し、旅行者も訪れることを想定した大規模な祭り。
もうひとつは、シマの人々の祈りや暮らしのために行われてきた集落行事です。
アラセツ。
シバサシ。
豊年祭。
種下ろし。
浜下り。
こうした行事は、本来その土地で暮らす人々の時間です。
外部の人を歓迎してくれる集落もあります。
一緒に八月踊りへ入れることもあります。
一方で、神事の一部には立ち入れない場合があります。
写真撮影を控えるべき場面もあります。
住宅や私有地を使って行う行事もあります。
奄美市も種下ろしなどへの参加・見学について、各集落のマナーを守るよう公式に案内しています。
訪れる前に、
開催日を確認する。
見学できるかを確認する。
撮影前に聞く。
住民の動線をふさがない。
神事の場所へ勝手に入らない。
招かれたときには、その場のやり方に合わせる。
こうした距離感も、奄美の文化にふれることの一部です。
祭りの暦から見えてくる奄美
奄美の年中行事を一年並べてみると、この島の暮らしが現在の1月から12月というカレンダーだけで動いてきたわけではないことが見えてきます。
新暦の正月。
旧暦の三月三日。
五月五日。
七夕。
盆。
アラセツ。
シバサシ。
十五夜。
九月九日。
種下ろし。
ムチモレ。
旧暦と新暦。
農作業の節目。
潮の満ち引き。
季節。
先祖。
神。
収穫。
いくつもの時間の流れが重なっています。
さらに、同じ日に島中が同じ行事をするわけでもありません。
あるシマでは旧暦8月15日が豊年祭。
別のシマでは旧暦9月9日。
以前は旧暦当日に行っていた祭りを、現在は日曜日へ動かした集落もあります。
一度途絶え、若い世代が復活させた踊りもあります。
その違いこそが、奄美の文化です。
祭りは、過去をそのまま保存するものではありません。
人が暮らし続ける中で、形を少しずつ変えながら次へ渡していくものです。
もし旅の途中で小さなシマの祭りに出会えたなら、
「珍しいものを見た」
だけで終わ らせず、
その日を迎えるまでに、どれだけの人が準備をしてきたのか。
誰から誰へ唄や踊りが渡されてきたのか。
なぜ、その旧暦の日に祈るのか。
少しだけ想像してみてください。
奄美の祭りを知ることは、
島の人たちが自然、先祖、仕事、収穫、そして互いのつながりと、どのように付き合ってきたのかを知ることでもあります。
奄美大島でできる体験を海・森・文化・暮らしから知りたい方は、「奄美大島で体験したいこと」もあわせてご覧ください。

